京都アンディハウスのメンズ・クラシック部門のセレクト店である 「Trait d’union」スタッフ堀江裕介が、リアルな実体験から、これぞ、という逸品を選んでご紹介する 「トレデュニオン的コダワリの逸品」です。
選者の、「これぞ」、 というコダワリのアイテムをどうぞお楽しみください。
インコテックスは、1951年にイタリア・ ヴェネツィアに創立されたトラウザースの専業メーカー。
ファストファッションに対し、スロウウェアという概念を打ち出す、 イタリアメーカー集団の筆頭ブランドです。
イタリアには、クラシコと言われる、ベーシックウェアの伝統があり、 ジャケットはジャケット屋、シャツはシャツ屋と言うような、いわゆる「餅は餅屋」とするように、 それぞれの専業メーカーが専門的にそのアイテムを作るように、多くのファクトリーブランドが存在します。
インコテックスは、そのスラックス分野において、 名だたる専業メーカーのなかでも随一という、スラックスのメーカー。
それは、イタリア中のテーラーが、 自社のジャケットにあわすパンツに、数多くインコテックスを選んでいることからも判ります。
クラシコというのが日本でも一大ムーブメントになった時に、 雑誌で初めてインコテックスの写真広告を見たのですが、それは、何とパンツをひっくり返して、反対面に穿いている、というものでした。
見える面だけでなく内側にもこだわり、むしろ、見せれるんだぜ! というような、確固たる自信を見せた、目を引く広告写真だったのです。
スラックスは、シルエットが命。インコテックスは、 その歴史とたゆまぬ向上心において、いつの時代も牽引する、素晴らしいスラックスをうみだしています。
もはや、イタリアのパンツメーカーとしてのみならず、 一つのブランドとしての信頼感。それは、パンツ界のリーバイスと言い換えてしまっても良いんではないか、と。
なかでも、スラックスの「501」と言えるのが、「035」 という品番モデルです。
細すぎず、太くなく、絶妙の綺麗さを誇るこのモデルは、 時代とともにマイナーチェンジにシルエットをミリ単位で修正し、いつの時代にもフィットする、時代の最新定番としての品番なんです。
インコテックスと言えば、ビジネスとかジャケットスタイルにしか、、 、とイメージするかもしれませんが、そういうアイテムをうまくカジュアルの中にミックス・コーディネートして合わせるのが、 本当にオシャレだと思います。
昔、 藤原ヒロシ氏が全体的にストリートカジュアルなコーディネートに、パンツにヘルムートラングを合わせていたのを見た事あるのですが、それは、 本当にカッコ好く思えたんです。
バリバリのモードスタイルの中に、インコテックス。
カッチリのトラッドスタイルの中に、インコテックス。
力をぬいたストリートスタイルの中に、インコテックス。
どんなスタイルにも合わせが利く信頼性は、 やっぱりインコテックスのスラックスをおいて、ありません。
INCOTEX ¥32,550.〓