先日、広島カープ・緒方孝市選手の引退試合を、 TVニュースのダイジェストで視ながら、思わず泣きました。
今では少ない(?)、真の野球人、野球のバガボンドのひとりの引退。
自らのスタイルに殉じる生き様には、 私利私欲に固執し個人の意思で自由に動く人の多い現代に、感動させる”なにか”があります。
ほんとにラストサムライになった前田選手との抱擁は、 思い出すだけで熱くなります。
確固たる自分を持ち、変わらぬスタイルを持ち続けることは、 ファッション・ビジネスではもっとも困難なことでしょう。
数多のブランドが時代によってスタイルを変えたりあわせたり、 自分を殺していく中、確固たる自分のスタイルを持ち続け、あくまでインデペンデントにこだわってものづくりを継続させようとしているのが、 ドリスヴァンノッテンとマルニです。
奇しくも、この二つのブランドは、 トラディショナルというファッションの基本をしっかりと踏まえながら、 それぞれに個性を加えベーシックをモードに昇華させるクリエイションをしています。
10年経っても、変わらず着れる、定番性のデザインと品質。 其処にしかない個性とモードのエッセンス。
ドリスヴァンノッテンとマルニは、 今後もdifferentの核となるブランドです。
ドリスとマルニでコーディネートしてみました。
トラッドでベーシックなスタイルに、 モードとオリジナルの雰囲気を醸す、今イチオシのスタイルです。
ドリスヴァンノッテンのロング・ カーディガンはフロントがダブルのジップアップ仕様。
お尻がすっぽりと隠れるほどのオーバー丈はニットと言えど、 ジャケットとして使用する体です。
ニットと言えばドリスと言うほどの、 クォリティとデザイン性には圧巻です。
フロントはさらに付属の安全ピンで留めて、 スタイルに変化を加えることも出来ます。
レザーが巻かれた安全ピンには、高級感も漂い、 ベーシックなカーディガンに、モードのエッセンスを入れているのです。
完璧にカッコイイ佇まいですね、このカーディガン。ベーシック・ トラッドの中にドリスならではのモードエッセンスが入り、バランスが最高です。
決して失くなるスタイルではないので、ロングカーディガンならコレ、 と言えるニットです。
DriesVanNoten ロング・カーディガン ¥78, 750.
マルニのストライプシャツは、手染めによるグラデーション。
あくまで普通のシャツを、 こんな風にアレンジで現代的且つモードに昇華させています。
ありそうで何処にも無い、出来そうで出来ない、 デザインを過剰に入れない洗練のモードシャツです。
MARNI ストライプ・シャツ ¥57,750.
マルニのスラックスは、一見ビジネスにも対応できる、 ベーシックなウールのスラックス。よく見ると先進的に加工された、コーティングがかる素材の表情。
洗練されたベーシックに、近未来的な素材を用いる、 マルニのアイデンティティーの様なスラックス。
シルエットも完璧。 現在イチバン綺麗なシルエットを創り出しているのがマルニ、と言える納得のシルエットです。
ジルサンダーやヘルムートラングから継承される、 洗練のミニマルモードの系譜に、普遍のベーシックさと、ちょっぴりのお茶目さ、を加えたのがマルニではないでしょうか?
マルニのスラックスは、 本当に現在の最高峰の綺麗さを持ったスラックスです。
実際に穿いてもらえば、その違いに唖然となること必至。 素材感にも驚くこと間違いなしです。
MARNI スラックス ¥59,850.
スニーカーでも、スポーティーにならないのが、 ドリスヴァンノッテンの凄さ。レザーとキャンバスの組み合わせで、ここまでエレガントにしてしまうその感性には脱帽です。
DriesVanNoten レザーXキャンバス・ スニーカー ¥44,100.
いまの時代、イツまでも着れるベーシックなデザイン性と品質こそが、 最も求められると思います。
不変性とモードを高度に融合させながら、 創りだされるクリエイション。
時代に流されない、確固としたスタイルで、凛とした佇まいの、 ドリスヴァンノッテンとマルニ。
この二つのブランドから眼を離せそうにありません。